ジョエル・バーカーの「パラダイムの魔力」を読みました。
パラダイムシフトという言葉が、以前に流行語となり、報道番組のコメンテーター
などがやたらと用いていたので、耳に残っている方も多いかと思います。
イノベーションが最近の流行語のようですが、モノに起こるのか、コトにおこるか
の違いだけで、この二つは同意語のような関係性です。
これだけ長い間、変化・変革の意味合いを持つ言葉が叫ばれているのには、何か
理由がありそうです。
分かりやすい構造としては、「アップル vs 日本の電子機器メーカー」や、「航空
会社 vs LCC」などがあり、既存の枠組みをぶっ壊して新規に参入してくるアウト
サイダー達の成功がこれらの言葉を輝かせているような気がします。
日本にも、「視点を変えて見てみろ」などの言葉があり、パラダイムと同義の考え
かたはありました。トヨタ生産方式の生みの親、大野氏も同様の考え方の持ち主
でした。
さて、この「パラダイム」、とても重要な概念です。
私ごとで恐縮ですが、このパラダイムをぶっ壊すことで、人生の幅が広がります。
オーディオ製作の趣味は、このパラダイムを乗り越えたもので、最近は手芸へと
広がりを見せております。
バーカーは、見えないものを見えるようにしてくると表現しており、パラダイムの
変化はいつでも、どこでも起こりうるのです。
最近のパラダイムの変化を一つ紹介します。
家族旅行でLCCを活用すべく、成田空港へのアクセスは電車を考えておりました。
当然ながら空港直結の駐車場は高く、また外部の安い駐車場は早朝には営業して
いないことから、最も安く上がるアクセス方法は電車です。(疑問の余地はあり
ません。)
因みに、空港直結の駐車場は2日間の駐車で4,200円ほどかかります。高い!!
しかし、私の利用する北総線は、片道950円かかり、夫婦の往復にて3,800円-も
かかります。
ちょっとしたことでパラダイムの変化が訪れます。
子供を連れて、早朝の電車を乗り継ぐことを考えれば、自動車で乗り付けること
のメリットは計り知れず、金額も決して高くないのです。
北総線という相対比較が出現したことで、直結駐車場が高いと感じるパラダイム
は崩れ去りました。
見方を変えること、それが解決する高次の問題、次のパラダイムの出現など、
バーカーの著作は刺激で満載でした。良書です。