2011年10月4日火曜日

笠ヶ岳登山 一日目

久しぶりの山行である。
久しぶりと言ったが、正確には1年ぶりだ。

数年前より私の山行きに同行してくれる、気のおけない友人との2人旅だが、今年は行程管理や各種手配を全て友人にまかせた。

なにもすることが無いというのは、こんなにも楽なことなのか!と日々その恩恵に甘え、地図すら見ない体たらくだ。

2人のスケジュールを調整すると、9,10月中は休みを取ることが無理そうなので、土日の連休をフル活用した登山となる。

場所は北アルプスの名峰にして、古くは播隆上人や円空が登ったとされる笠ガ岳に決定。

新穂高温泉~笠新道~笠ガ岳頂上~クリヤ谷~中尾高原口バス停の行程となる。

登り口の標高は約1500mで、標高差1300mを、登り7時間、下り8時間のコースタイムだ。

日程は2011年10月1~2日の山小屋一泊コース。

毎日新聞社の登山パックで、秋葉原発~新穂高温泉(往復)笠が岳山荘2食付きで、¥21,500- が総額となる。

事前に当日は寒気が流れ込むとの情報を得ていたので、フリースとダウン、グローブ、耳当てを用意した。

水は笠新道登山口で潤沢なわき水を調達出来る。煮炊きを含め、2リットルを用意したが、奇麗に山小屋手前で無くなった。寒い時期だが、水は多めに用意したい。


行きのバスは秋葉原を出発し、毎日新聞社にて受付をして、再度出発する。
途中「諏訪湖サービスエリア」で時間調整(3時間も!!)をし、午前3時過ぎに出発する。
これは、途中 上高地による為、午前5時にゲート開放されることを見越しての調整である。
ただし、上高地の後に下車する新穂高組には、何の恩恵もないことは言うまでもない。

6時少し過ぎに、新穂高口に到着した。

天気予報は正確に当たり、冷たい雨が降っている。

雨具の用意をして、ウォーミングアップとばかりに、早足で笠新道登山口を目指す。




地図で見る限り、上高地のバス停から明神池までの歩き程度かと予想していたが、こちらは若干の登りがある。

歩き始めて10分もかからないうちに、ゴアテックスの湿度コントロールは飽和して、身体は汗で蒸れ始めた。


40分程度で笠新道登山口に到着した。

千葉の水道水を捨て、ここで北アルプスの天然水を調達する。

さて、目の前はいきなりの急登である。

ボチボチ行こう。


地図では、急登をジグザクに4時間程度登るのだが、この登りは展望もなく、全く癒しがない。

友人と2人だが、終始無言の禅的登山がつづく。

杉や雑木に、ナナカマドが混じり始めてくると、山に来たと感じるが、紅葉にはまだ早い時期ながら、ナナカマドの実は赤く色づき、湿り気のある空気と相まって、久しぶりに気持ちのよい時間を過ごしている。


うっすらと日が射してきて、杓子平との中間地点では天候は回復し、コントラストの強く出る様な日差しに包まれる。

途中いくつか槍・穂高の展望ポイントがあったが、どれもガスで展望は望めなかった。

植生がハイマツのような高山植物になり始めると、杓子平はもうすぐだ。こころなしか、冷たい風を首筋に感じ始める。

突然樹林帯が切れ、目の前に雄大なカールが出現する。
杓子平に到達したようだ。


ここで、昼食とする。

昼食は定番の炊き込みおこわのアルファ化米と、あたたかいスープだ。
夏だろうが、冬だろうが、山での食事は温かいものが美味しい。





杓子平から2時間程度登りきると、抜戸の分岐に出る。
ここまではガレた岩場を登り、高度を稼ぐのだが、樹林帯の登りと変わらず、こちらも結構な登りである。

ガレ岩とハイマツ、そしてそこかしこに群生する高山植物は、心地よい秋の風にゆれていた。

抜戸の分岐からは、登山ファンへのプレゼントとばかりに、気持ちのよい1時間程度の尾根筋の縦走だ。


新穂高の谷から巻き上がる低層雲も切れ、今は槍・穂高が気持ちよく見える。

体温調節が難しい季節だが、笠が岳山荘が見える頃には、半袖では寒くていられない。身体の熱交換のバランスが逆転したようだ。


山荘が眼前にはっきりと見えたら、癒しの時間は終了だ。山荘まで、10~15分程度のキツい急登がある。

一歩ずつ歩みを進め、山荘へ到着。

温度計を見ると、2度と表示。そりゃ寒いわけだ。


夕食は5時からと告げられ、何もすることが無いので、小屋の周りをウロウロする。







いやに人が多いなと思ったが、後で聞くと団体が2組も来ているとのこと。

3回入れかいの夕食(真夏の最盛期並の回転率)が終わる頃には、布団のなかでいつの間にか眠りについていた。

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