2011年5月24日火曜日

自動車整備士はどうなるんかな。。

中学生の頃、「こんな勉強社会に出て役に立つのかよ」って言ってるやつが
結構いましたが、それは大人になっても変わらないようです。

一級整備士の講習でオシロスコープの実習があり、私は隣の部屋で三級の
講習を受けていたのですが、喫煙室で「オシロなんて修理の役に立つんですか
ね...」と某メーカー系ディーラーの整備士が言っておりました。

整備士の地位向上はすばらしいことで、是非推進すべきことですが、なんだか
大きな間違いがあるようです。

まず、オシロは故障診断ツールとして大きな役割を果たしますが、そもそも
自動車の故障診断にオシロスコープを使う場面は一切ありません。
そして、オシロが機械として性能を発揮するのは、エレクトロデバイスの設計
段階であり、自動車のパルス制御系や交流系統を診断するのであれば、サービス
マニュアルの診断ダイアグラムと、それら機器を理解していれば可能なことです。

そして、一番重要なことは、現在の整備士はチェンジニアとして育てられ、
修理もそのようになっていることです。

部品ですらアッセンブリ供給で、何かを深く分解して修理する仕事の方法は
取られていません。

オシロの使い方や、パルス/波形診断の方法を習得したとしても、仕事に活かせない
のが現状です。

ここに大きな矛盾があります。

私がポンコツイタリア車を整備していた頃から比べて、自動車の制御系は複雑に
なり、5V系統の修理は難しさを増しているかもしれませんが、テスタで理論的な
判断を下して修理するほど、お金はもらえません。
(サービスマニュアルや内規で細かく規定されているので、それを越える請求は
不当と言われる可能性があります。)

ということは、整備士の稼ぎ出すお金は以前より変わらず、地位向上は夢の話と
なってしまうのです。

自動車専用テスタ(小さなPCの様なもの。とても高性能。)で診断して、ASSY
交換するスタイルはこれからも変わらないのでしょう。

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